大野・八郎沼のジュンサイ摘み、3年連続で見送り

update 2004/7/1 10:11

 【大野】大野町の特産品として知られる八郎沼のジュンサイが、3年連続で摘み取りを見送ることになった。ことしも「ジュンサイハムシ」とよばれる害虫が大量発生したためで、摘み取りを行っている八郎じゅん菜組合(花巻徹理事長)にとって、頭の痛い状況が続いている。

 同組合は20年ほど前から例年、6月中旬―8月中旬にかけてジュンサイ摘みをしており、ピーク時には年間約1トン、ここ数年は500―600キロを収穫。ボートから身を乗り出して収穫する風景は町の風物詩として知られ、瓶詰めにして販売していたジュンサイは、マルメロと並ぶ特産品となっていた。

 しかし、2002、03年と大量のジュンサイハムシの幼虫が発生したことから収穫を断念。この状況に町は昨年度、国の緊急雇用特別対策事業を使い、沼の全域にわたって虫が寄生した葉を刈り取り、処分するなどの対応を行った。

 しかし、作業も害虫を完全に駆除するには至らず、ことしも関係者が沼に船を出して生育状況を調べたところ、ほとんどの葉にジュンサイハムシの幼虫や成虫が発生しているのを確認した。

 町や関係者への影響は年々大きくなる一方。瓶詰めは在庫切れから販売中止が続き、同組合では関係者に事情を説明するなどして対応に当たっている。町もことしから、観光雑誌やパンフレットなどでジュンサイ関連のPRを取りやめている。

 ジュンサイハムシは殺虫剤散布で駆除することが可能だが、沼に生息するコイやフナなど他の生態系に影響が及ぶため、実際は散布が困難な状況。昨年行った葉の刈り取り処分も膨大な人件費がかかる。

 今後についての対処や方針は、現時点では定まっていないが、花巻理事長は「ジュンサイを軸にしながら、大野をPRしようと組合を立ち上げた経過がある。簡単にやめるわけにはいかない」と話している。


ジュンサイハムシ

 ハムシ科の一種で、体長約5ミリほどの甲虫。幼虫時から水面に浮かぶ葉を不規則に食べるため、ジュンサイそのものの商品価値低下を招く。

提供 - 函館新聞社



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