林隆三さん朗読会
update 2004/6/29 10:11
【上ノ国】俳優の林隆三さんが宮沢賢治の童話作品を朗読する「林隆三と楽しむ―賢治童話の世界」(上ノ国町教委主催)が27日、上ノ国町総合福祉センター「ジョイ・じょぐら」で開かれた。町内外から訪れた大勢の童話ファンが、林さんの魅惑的な声と、ぬくもりある東北弁の語りに熱心に聴き入った。
公演では、作中に美しい東北弁がちりばめられた賢治作品を、東北弁を自在に操る林さんが朗読した。東京出身の林さんは、幼年期に東北地方に住む祖父母の下を訪れ、独特の抑揚がある山形弁や仙台弁を身に付けたという。
同日は、周囲から冷たい視線を浴びながらも、主人公の少年が家族のきずなを支えに荒地に木を植えていく「虔十(けんじゅう)公園林」を、ソフト帽とメガネのいでたちで朗読。続いて、農夫が木立の中に忘れた手ぬぐいをめぐるシカの会話を幻想的に描いた「鹿(しし)踊りのはじまり」を独演した。
「鹿踊りのはじまり」では、森の中で戯れるシカの様子や、木立の中からじっと見守る農夫の息遣いを、渋みのある声に抑揚を利かせて披露。会場を埋めた観客は、賢治文学の世界と林さん朗読に酔いしれていた。
東北弁との出会いや俳優座での日々などを語った、ユーモアあふれるミニトークや、ピアノの弾き語りでも観客を楽しませた。江差町から訪れた女性(36)は「林さんの味のある語りで、童話の世界が実写のようにまぶたに浮かぶようでした」と、感激した様子で話していた。
提供 - 函館新聞社
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