上磯・館野遺跡で環状列石出土

update 2004/6/25 10:45

 【上磯】上磯町の「館野(たての)遺跡」でこのほど、縄文時代後期(約4000万年前)のものとみられる、だ円形の環状列石(ストーンサークル)が出土した。発掘調査にあたった道埋蔵文化財センターが道教委に報告し、今後の調査方針を決定する。

 発掘された場所は、建設が進む函館江差自動車道で、富川インターチェンジ(仮称)の予定地から、木古内町に近い台地。発掘作業は昨年5月から始まり、函館開建から委託を受け、同センターが進めてきた。

 環状列石は細長いだ円形で、長さ34メートル、幅約18メートル。並んでいた石は約100個で、長さは30―75センチのものが多い。この場所は、畑として利用されていた時期もあり、耕作のため動かした石の穴の跡は、約50個見つかっている。

 環状列石の内側には、深さ1・5メートルほどのフラスコ状の穴が14個発見された。食料の貯蔵庫か、墓穴として使われていたとみられている。一方、列石の北と南側に長さ約32メートルの盛土があり、中から土器や石器の破片、動物の骨などが発見されている。

 昨年11月には、森町の「鷲ノ木5遺跡」で環状列石が出土し、話題を呼んだ。道縦貫自動車道建設に伴う発掘調査で見つかり、保存をめぐり町、道、日本道路公団などで協議が続いていることから、上磯の場合も遺構の保存方法などについて、関係機関の協議が必要となりそうだ。

提供 - 函館新聞社



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