函館在住の吉原さん「新構造展」に初出品し会友に推薦

update 2004/6/19 10:20

 函館市桔梗町の吉原澄子さん(65)がこのほど、東京の公募展「新構造展」に初出品し、会友に推薦された。一般に公募展での会友への推薦は、入選を重ねた人が対象で、初出品では異例。作品は農耕馬をモチーフにした「群れ」(F50号)で、「独創性と表現力の高さ」(審査員講評)が評価された。吉原さんは「自分が本当に描きたいと思い制作した作品が評価され、心からうれしく思う。ご指導いただいた皆さんに感謝します」と笑顔で話している。

 吉原さんはもともとすし職人で、同市深堀町に店を構えていた。15年ほど前、仕事の帰り道、自動車にはねられ大けがを負い、閉店。以前から趣味で絵を描いていたが、事故をきっかけに、リハビリも兼ね、本格的に油絵を学び始めた。

 函新文化講座「油彩教室」に通い、同講座講師で全道美術協会会員の高野政志さん(75)に師事。「わたしにとって絵画は『日記』のようなもの。一筆ごとに人生を刻んでいる」と話すほど、熱心に制作に励んできた。

 会友へ推薦された作品「群れ」は、力強く地面を踏みしめる農耕馬の姿を、F50号のキャンバスいっぱいに描いた。「市内や近隣の牧場などに、毎日のように足を運び馬と接した。胸板の厚い農耕馬の勇壮な姿に、魅せられる」と話す。

 また、公募展「日本の自然を描く展」でも、ことし、「凍れる朝」で3年連続の入賞を果たした。モチーフは同じく農耕馬。

 指導する高野さんは「うまく描かなくても、洗練されなくてもいい。いまのまま、素朴な持ち味を生かし続けてほしい」と、生徒にエールを送る。吉原さんは「来年の新構造展に備え、新作に取りかかった。次は準会員を目指したい」と、新たな目標に向け、意欲いっぱいに語っていた。

提供 - 函館新聞社



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