佐藤さんの版画、ハウレットさんの英訳で「注文の多い料理店」出版へ

update 2004/6/17 10:04

 宮沢賢治の名作「注文の多い料理店」の英語版絵本が、函館在住の木版画家、佐藤国男さん(52)の作品を使い、アールアイシー出版(東京、本部・オーストラリア)から出版されることになった。翻訳を担当したのは、函館ラ・サール高校英語講師のピーター・ハウレットさん(49)と同校元英語教諭で熊本県立大学英語講師のリチャード・マクナマラさん(46)。日本国内のほか、海外でも販売展開され、絵本を通じて宮沢賢治作品の面白さや佐藤さんの木版画の魅力が発信されそうだ。

 佐藤さんは、20代から宮沢賢治の世界をモチーフに木版画を始め、これまでも絵本や挿絵などを手掛けている。「注文の多い料理店」の本格的な絵本は今回が初めてで、新しく16点の木版画を作った。木目を生かした多色使いで表現し、物語の中で出てくる文字には英語を用いた。

 翻訳に当たっては、「日本語のあいまいさを宮沢賢治がうまく使っているので訳すのに苦労した」とハウレットさん。「さあおなか(中、腹)におはいりください」など、いくつかの意味にとれる言葉の使い方に頭を悩ませたという。

 「『注文の多い料理店』はブラックユーモアを通り越した怖い話だが、ユーモアを感じる話にしたかった」と語る佐藤さん。ハウレットさんは「宮沢賢治の作品も、佐藤さんの版画も日本だけで楽しむのはもったいない。この絵本はいろいろな楽しみ方ができると思う」と話している。

 絵本は、縦23センチ、横31センチの大きさ。使われている英語は高校生レベルで、英語のナレーションCDと日本語原文も付いている。定価2200円(税別)。書店のほか、こなひき小屋(七飯)、ギャラリー村岡、はこだて工芸舎などでも扱っている。

 また、絵本出版を記念して17日から22日にギャラリー村岡、27日には函館三育小学校で「佐藤国男版画展」が開かれる。

提供 - 函館新聞社



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