江差ウインドパワー 制御ソフトウエア改善を要請へ
update 2004/6/15 10:08
【江差】風力発電を行う江差町の第3セクター・江差ウインドパワー(社長・濱谷一治町長)は13日、町内で臨時取締役会を開き、低迷している発電出力の向上に向け、現地の複雑な気流に対応して風車の羽根の角度や方向を変えることができるよう、制御ソフトウエアの改善を施工業者のJFE(東京、旧NKK)に要請することを決めた。
出力低迷の原因について、プロジェクト委員会(委員長・牛山泉日本風力エネルギー協会会長)は今月、制御ソフトの改善や風が強い場所への風車移設などを求める報告書をまとめた。
報告書について取締役会では、多額の費用を要する風車の移設は困難と判断。経営改善につながる発電出力の向上が急務として、JFEにソフト改善を求めることを決めた。ソフト改善により、現在は風車の運転を停止している、風速13メートル以上の強い風でも発電が可能になるため、発電出力を示す設備利用率が最大2―3%程度上昇するほか、売電収入は年間数千万円程度の増収が見込まれるという。
ソフト改善についてJFEは「江差ウインドパワーからの要請があれば無償で行う」との意向を濱谷町長に示しているが、当初計画のずさんさなど、JFEの企業責任を軸に交渉を進めている同社は「補償交渉への影響も懸念されることから、要請内容については弁護士と慎重に検討したい」(濱谷町長)としている。
同社とJFEは、風車の機械的トラブルで売電できない期間中に生じた損害の補償をめぐり対立。双方の弁護士を通じて交渉を進めているが、両社の主張が折り合わず難航している。
取締役会の結果について、濱谷町長は「町民に負担をかけないのが最大の課題。売電収入の増収により、町が債務保証した金融機関からの借入金返済を早めることも視野に経営改善策を検討したい」と話している。
提供 - 函館新聞社
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