整備新幹線計画 新函館−新青森着工で合意

update 2004/6/3 10:14

 【東京】自民党の整備新幹線建設促進特別委員会(小里貞利委員長)は2日、整備新幹線の未着工区間のうち、北海道新幹線の新函館―新青森など3線を、2005年度当初に同時着工することで合意した。道新幹線の着工は昨年12月に与党合意していたが、新規着工区間が新函館―新青森と示されたのは初めて。近く、公明党を含めた与党整備新幹線建設促進プロジェクトチームで協議し、6月中に政府・与党合意を目指す方針だ。

 同時着工が内定した3線は新函館―新青森と、北陸新幹線の富山―金沢車両基地(石川)、九州新幹線の武雄温泉(佐賀)―諫早(長崎)。建設費は新函館―新青森が5000億円、北陸が3900億円、九州が2700億円で、2013年度から5年間の整備新幹線関連予算約1兆円を先取りし、財源に充てる方向で検討している。

 北海道の新函館―札幌など盛り込まれなかった区間については、現在建設中の区間の完成後に見直すとしている。

 着工に向け、今後は国と地方の財源確保が課題となる。整備新幹線の建設費負担は国が3分の2、地元が3分の1。新函館―新青森の場合、建設費5000億円を前提にすると地元負担は1600億円余りとなる。基本的に道を中心に、新駅が設置される木古内町、大野町が負担することになる。

 また新幹線開業後、JRは並行在来線の経営を切り離す意向だ。道南では江差線(五稜郭―江差)が対象とされており、地元自治体間でも、新幹線開業が生活路線廃止と“引き換え”になることから、着工への熱意に温度差があるのも事実。開業後の並行在来線の扱いは欠かせない課題だ。大野町の現・渡島大野駅に設置される「新函館駅」と函館市のアクセス問題も依然、方向性が見えていない。

 これらの課題をいかに整理、解決し、新幹線を地域振興の起爆剤とするか。行政や経済界の建設促進運動は新たな局面を迎える。

 北海道新幹線をめぐっては、昨年12月の与党整備新幹線建設促進プロジェクトチームの会合で着工に合意。だが、05年度着工と具体的な区間明示は見送られ、05年度予算の概算要求に盛り込むため、6月まで最終結論を先送りにしていた。

提供 - 函館新聞社



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