ヒグマ春季管理捕獲、前年の倍の14頭

update 2004/5/22 15:12

 道の「渡島半島地域ヒグマ保護管理計画」に基づく、ことしのヒグマ春季管理捕獲が終わり、3年におよぶ試行実施期間が終了した。今季の捕獲頭数は前年の倍となる14頭で、試行期間の合計は25頭になった。道は近く、学識経験者らで構成する「ヒグマ対策協議会」を立ち上げ、試行実施の結果をもとに、効果の有無や費用対効果などを検証。関係機関から情報を集め、管理捕獲を継続するかどうかなど、ヒグマの保護管理の在り方を検討する。

 ヒグマ(満2歳以上)を対象に、今春は捕獲頭数は雄39頭、雌10頭を上限に設定し、渡島、檜山、後志の3管内21市町村で行った。対象地域を6ブロックに分け、地区ごとの捕獲上限数も設けた。渡島、檜山両管内18市町村では、3月21日に捕獲をスタート。ヒグマの出没時期が遅い後志管内3町に限り、4月1日から始めた。実施期間は各管内とも41日間。

 捕獲したのは雄9頭、雌5頭。地域別でみると、渡島管内八雲町、檜山管内熊石町など渡島半島中央部が雄3頭、雌3頭の計6頭で最も多かった。次いで、後志管内島牧村など後志南部地区が4頭、檜山管内厚沢部町など同半島南部が3頭。渡島管内松前町など松前半島や同管内長万部町など同半島北部は実績がなかった。

 過去2年間の捕獲頭数は02年が雄1頭、雌3頭の計4頭、03年が雄5頭、雌1頭、性別不明1頭の計7頭。捕獲頭数が増加したことについて、檜山支庁は「昨年より残雪が多かったため、足跡から追跡しやすかった」(地域政策部環境生活課)と分析。渡島支庁は「天候に恵まれたのに加え、3年目の経験も大きかったのでは」(同)とみている。

 道は今後、対策協議会を通じて、同計画の進ちょく状況や実施の効果などを点検する。管理捕獲については、「地元自治体から、継続の要望が出ている」とする一方、来季の取り組みは「3年間の試行実施の結果を踏まえ、慎重に協議を重ねていく」としている。

 道は、ヒグマの適正な保護管理方策の確立を目指し、2001年2月に同計画を策定。ヒグマによる人身事故や農作物の被害を未然に防ぎつつ、ヒグマの地域個体群の存続を図る取り組みを続けている。

提供 - 函館新聞社



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