江差風力発電問題、制御ソフト改善が必要

update 2004/5/19 10:03

 【札幌】江差町の第3セクター・江差ウインドパワー(社長・濱谷一治町長)の経営問題で、風力発電所の技術的問題を検証するプロジェクト委員会(委員長・牛山泉日本風力エネルギー協会会長)の最終会合が18日、札幌市で開かれた。複雑な気流の影響で発電出力が低迷している風車の移設、制御するソフトウエアの改善などが必要とする調査結果をまとめた。経営基盤が弱い同社では、多額の費用を要する風車の移設は困難で、ソフト改善による出力向上が経営健全化の鍵を握ることになりそうだ。

 同委が2003年3月から04年3月まで、28基ある風車の運転状況を調べた結果、実際の発電出力を示す設備利用率は14・7%と当初計画(約30%)の半分に満たない状態だった。風下側の風車で著しく設備利用率が低下する傾向があった。

 原因解明のため、風の状況をコンピューターシミュレーションで分析。現状の風車の配置と制御ソフトで、どれだけ設備利用率が得られるかを試算した。その結果、現状の設備では最大17・8%しか達成できず、当初計画に示された約30%の設備利用率は「理論上は達成不可能な数値」(同委)であることが分かった。

 計画通りの設備利用率を達成できない原因について、同委は 1.制御ソフト上の問題から風車が性能を発揮していない 2.風車間の距離が接近しすぎて、気流が不安定になっている 3.発電に適さない場所に配置された風車がある―の3項目を指摘。発電所の立地、風車の配置など事業計画そのものの見通しの甘さが浮き彫りになった。

 また、28基の風車はすべて欧州製。このため、風速や風向の乱れが少ない欧州の風力データをもとに開発された制御ソフトが組み込まれているため「気流が複雑な日本国内では、風車が十分な性能を発揮できない」(牛山委員長)という。

 当面の改善策として同委は、風の状況が良い場所への風車の移設、制御ソフトの改善などを提言した。経営状態が悪化している同社では、多額の費用を要する風車の移設は事実上困難。濱谷町長は「制御ソフトを現地の複雑な風に対応したもの改善することが現実的な判断だ。改善費用などはメーカー側が負担すべきだ」との考えを示した。牛山委員長は「強い風が期待できる今年の冬をめどにソフト改善を急ぐ必要がある」と述べた。

 ソフト改善については、発電所施工業者のJFE(旧NKK銃{蝙キ欖鼻砲癲峙蚕囘・鵬椎宗廚箸靴董∩宛・C併兩・鮗┐靴討い襪箸いΑ・

提供 - 函館新聞社



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