コクガン調査、前回より200羽減
update 2004/5/11 09:54
日本野鳥の会函館支部(有馬健二支部長)はこのほど、この冬(2003年12月―04年3月)のコクガン調査の結果をまとめた。それによると、渡島地方の主な海域で越冬したコクガンは約800羽で、前回(02年12月―03年3月)調査から200羽減。また、例年2月に迎える越冬数のピークが3月にずれ込んでいたことが分かった。
調査結果によると、コクガンの第一陣は昨年12月上旬に19羽が志海苔海域に飛来。移住期の12月中は全体的に観測数も少ないが、1月は235羽に増えた。だが、例年、越冬数が最多となる2月は536羽にとどまり、逆に北帰行が始まるとされる3月に793羽を観測。今冬の最多羽数を確認した。
前回調査は過去最高の1000羽で、今冬は約200羽少なかったが、前々回とほぼ同数。また、群れの中の若鳥の割合は18・9%で、前回とほぼ同率だった。
同支部では今冬の特徴について「南茅部町でえさとなるフノリの生育が悪く、川汲や尾札部での観測数が少なかった。また、例年3月に入るとコクガンの数は減るが、上旬に気温の低い時期が続いたためか、今冬は3月20日から23日の調査で最多羽数を観測した」とまとめている。
コクガンは国の天然記念物。函館海域は毎年11月下旬から12月上旬にかけて飛来し、翌年3月ごろまで約800羽が越冬する。同支部では毎年、生息調査を実施しており、今冬も会員らが昨年12月上旬から今年3月下旬の期間に、志海苔―戸井町釜谷、上磯町富川―木古内町札苅、南茅部町川汲―尾札部の3海域で、干潮時に16日間、観測を行った。
提供 - 函館新聞社
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