長川清悦さんの個人美術館がオープン

update 2004/5/8 16:03

 【七飯】七飯町峠下5の画家、長川清悦さん(68)が、アトリエにしている生家を、個人美術館「長川清悦美術館」としてこのほどオープンさせた。ライフワークとしている、農民の生活の様子を描いた絵画のほか、箱館戦争にまつわる調査記録など、貴重な郷土資料も豊富にそろう。土、日曜と祭日限定で開館することにしており、長川さんは「この場所の歴史を残していきたい」と話している。

 国内外で個展を開くなど画家として活躍するほか、昨年春まで町歴史館初代館長として勤務した長川さん。1862(文久2)年に建てられたという生家は、アトリエとして使用しており、5年ほど前から自身の作品を保管している。2年前にインターネットのホームページを通じて作品を公開したところ、「見せてほしいという声が多く寄せられた」ため、個人美術館として開くことになった。

 建物の横にはかつて牛舎があり、そこを私設の郷土資料館として長川さんが整備した経緯がある。また、建物は国道5号線の拡幅などで2度場所を変えながらも、原木をそのまま土台に生かした建築様式はそのまま残るなど、建物そのものが一つの資料≠ニなっている。

 展示は「田植え」「種まく人」など、農民の暮らしぶりを描いた作品を中心に、「大沼の氷きり」など地元の生活を伝えるものも多い。

 また、江戸時代に峠下地区にあった「番所」の存在を伝える資料として、キリシタンが弾圧を逃れるために記した書物や、ペリー来航時に通訳を務めた箱館奉行所支配組頭、平山謙次郎の書など、さまざまなジャンルの資料を展示している。

 今年は11月いっぱいまで公開を予定。長川さんは「峠下の風景も変わりつつあるが、ここでしか描けない作品がある。作品を通して、農村の原風景を見てもらえれば」と来場を呼び掛けている。開館日は土、日、祝日、開館時間は午前10時から午後4時まで。入館料200円。問い合わせは同美術館TEL65・2905。

提供 - 函館新聞社



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