函館の建造物をステンドグラスで作品化

update 2004/5/4 12:49

 「ステンドグラスは見る人によって美しくもあり、妖(あや)しくもあり、そして安らぎをも与えてくれる」―。函館市本通に住む田中幸雄さん(70)は、ステンドグラス制作に生きがいを感じている。主に建築物をモチーフにした立体型が多く、自宅には大小さまざまな作品が飾られている。「ひとつのガラスが形を変え、別なものへと生まれ変わる。そこに魅力を感じますね」と笑顔を見せる。

 このほど函館市元町にある函館区公会堂を完成させたばかり。水色を基調とした色合いで、電灯をともすと淡いグリーンに変わり、一味ちがった雰囲気が楽しめる。

 田中さんがステンドグラスを始めたのは退職後の1998年4月ごろ。何気なく訪れた市内のギャラリーで作品展を見て、「素晴らしい」と素直に感動した。同時に30代の時に、トラピスト修道院の礼拝堂で初めてステンドグラスを見た時の感動もよみがえってきた。その思いは制作意欲へと変わり、作品展を主催していた教室に入会、基本技術を学んだ。

 体調を崩し2年ほどで教室を辞めることになったが、回復後、「自分らしいものを作りたい」と自流の作品制作に励むようになった。

 これまで、ハリストス正教会やトラピスト修道院など、主に函館の観光名所となっている建物を作品化してきた。

 自分で撮影した写真から図面を引き、ガラスの切断、溶接に取り掛かる。丸みを帯びた部分が特に難しく、ち密な作業を要する。一度制作に取り掛かると、食事以外は1日中部屋に閉じこもることに。「ガラスは正直。1ミリでもサイズが異なると一からやり直しです」と笑うが、「完成し電灯をともした瞬間、苦労も吹き飛びます。これで終わりということはないですね」と語る。

 そして、「函館の魅力的な建造物を探し、世界に一つだけの作品を作り上げていきたい」と意欲を見せている。

提供 - 函館新聞社



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