森町教委、小樽など4カ所を視察へ…鷲ノ木5遺跡保存問題

update 2004/5/1 12:44

 縄文時代後期(約4000年前)のものとみられる道内最大の環状列石(ストーンサークル)が見つかった森町の鷲ノ木5遺跡の保存問題に関連し、同町教委は、同様の環状列石がある小樽、青森、秋田の4遺跡を視察調査する方針を固めた。早ければゴールデンウイーク明けにも実施する。町教委は同遺跡を保存する場合、公園など周辺環境の整備が必要とみており、各遺跡の施設整備や運営面を中心に調査する。

 鷲ノ木5遺跡は、現在工事が進んでいる道縦貫自動車道の建設ルート上に位置するため、現在、道教委と日本道路公団との間で保存をめぐる協議が進められている。

 ただ、保存する場合、国や道からの助成があるものの、実際に維持管理にあたるのは町。このため、「経済への波及効果を求めなくてはならず、“人を呼び込めるもの”にするには公園などの整備も必要」(伊藤忠義教育長)という観点から、比較的訪れやすい他の環状列石を視察し、検討材料とすることにした。

 視察するのは、小樽市の「忍路(おしょろ)環状列石」、青森市の「小牧野遺跡」、秋田県鹿角市の「大湯環状列石」、同県鷹巣町の「伊勢堂岱遺跡」の4カ所。いずれも縄文時代後期のものとみられるほか、規模も大きく、「大湯―」は国の特別史跡に、他の3遺跡も国の史跡に指定されている。

 視察は担当学芸員を中心に数人で行い、遺跡周辺施設の状況や保存計画、入り込み客数などを調べる意向だ。伊藤教育長は「遺跡を保存した後にどう活用されているかがカギになる。各地の状況を参考にしたい」と話している。

提供 - 函館新聞社



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