七五郎沢処分場 滅菌未処理の可能性ある医療廃棄物採取

update 2004/4/27 10:08

 函館市営の七五郎沢廃棄物最終処分場(市内東山町)の操業差し止めを求めた訴訟で、函館地裁は26日、同処分場で現場検証を行った。原告代理人の増田隆男弁護士によると、土中から滅菌処理がされていない可能性がある医療系廃棄物が見つかり、地上に伸びるガス抜き管から、有害な硫化水素が高濃度で検出された。これに対し、被告の市側は「係争中で、コメントできない」(岡田芳樹環境部長)としている。

 現場検証は原告の求めで実施。裁判官らの立ち会いで原告、被告双方が、すでに埋め立てが終わった同処分場第2ブロックにある、3カ所のガス抜き管と周辺で、硫化水素濃度を調査した。原告側によると、このうち1カ所の管内から、労働安全衛生法などによる事業場での基準値10ppmを上回る、320―350ppmを記録した。

 現在使用中の第3ブロックでは、3カ所で土を掘り起こし、この日、持ち込まれたごみも対象に、医療系廃棄物の状況を調べた。原告側が針の付いた点滴容器など、20数点を採取。今後、鑑定が行われる予定だ。

 増田弁護士は「処分場は三和不法投棄事件の原状回復作業で出る、木くずなどの搬入先。硫化水素は一般作業員のほか、ボランティアの市職員の健康も害しかねない。医療系廃棄物は飲料水の空き缶などと一緒に捨てられており、滅菌処理がされているとは思えない」などと指摘した。

 同訴訟は同処分場の周辺住民20人が昨年8月、起こした。原告側は(1)感染性の医療系廃棄物が不法に持ち込まれている(2)硫化水素の発生により生活がおびやかされている―などと主張、操業の差し止めを求めている。これに対し、市側は(1)医療系廃棄物は非感染性のものだけが持ち込まれている(2)硫化水素は発生しているが、付近への影響はない―など、反論している。

提供 - 函館新聞社



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