「箱館奉行・栗本鋤雲」の活躍記した豆本出版
update 2004/4/23 10:02
日本近代文学会会員の桜井健治さん(56)=函館市亀田港町、函館市役所勤務=が、豆本「箱館奉行・栗本鋤雲」(上・下巻)を出版した。発行元は青森・弘前市の「緑の笛豆本の会」で、桜井さんにとって3作目の豆本。栗本鋤雲(1822―97年、享年76歳)は開港後の箱館で約6年間、勤務した役人で、桜井さんは「今年はペリー来航150周年で、箱館で活躍した鋤雲の一端を知ってもらえれば」と話している。
前2作は、ともに同会から出版した「漂泊者啄木と函館」(1988年)、「国際啄木学会誕生す」(89年)。本書は上下巻ともに横7・5センチ、縦9・5センチ、厚さ1・2センチで、「400字詰め原稿用紙にして40枚」の分量という。
同会の豆本はすべて手作りで、和紙が使用され、表紙は厚紙。会員限定で250部印刷された。上巻の表紙は栗本鋤雲の著書「匏菴遺稿」の表紙、下巻は五稜郭公園と函館山を収めた航空写真で飾られている。
栗本は1858(安政5)年に箱館に赴任し、63(文久3)年に江戸に戻った。上巻では、この間の箱館生活、当時の箱館が置かれた時代背景などが描かれている。下巻では、旧幕府軍の一員として箱館戦争で活躍した高松凌雲や、作家・島崎藤村との縁などが記されている。
同書は市販されておらず、市立図書館で閲覧できる。20年ほど前から収集してきた豆本は300冊を超えるという桜井さんは「手作りの豆本は見るだけでも心を和ませてくれます」と、魅力を話している。
提供 - 函館新聞社
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