24日から旧笹浪家を一般公開

update 2004/4/22 10:01

 上ノ国町教委は24日から、国の重要文化財で、道内最古級の民家として知られる、同町上ノ国236の旧笹浪家住宅の一般公開を始める。囲炉裏(いろり)などを忠実に再現。ニシン漁で栄えた往年の情景を想起させる造りとなっている。

 笹浪家は18世紀から続いたニシン漁の網元。同住宅は19世紀前半に5代目の久右衛門が建てた、道内に現存する最古級の民家で、1992年に重要文化財に指定。木造で傷みが激しく、99年度から解体修復を行った。

 昨秋の暫定公開で、笹浪家を訪れた地域の高齢者の指摘を受け、囲炉裏の炉砂を同町大安在浜産の砂に入れ替えた。同町では、めのうやジャスパー(へき玉)が混じり、色彩に独特の趣がある同浜産の砂を囲炉裏に使うことが伝統になっているという。

 また、1887(明治20)年の製作と伝えられる船時計も、江差町の時計店に依頼して修理。深みがある往年の音色をよみがえらせた。夏季には家紋入りのすだれを軒先に下げる。肌寒い時期には実際に囲炉裏に火を入れて雰囲気を高める。

 本公開に向け、解説パネルや漁場模型などの展示も充実した。同町教委文化財課は「今後も入場者の意見を聞きながら、生活感の再現を進めていく」と話している。

 一般公開は24日から11月14日まで。公開時間は午前10時から午後4時。毎週日曜日と祝日の翌日は休館。観覧料は大人300円、小中高生100円。問い合わせは同町教委文化財課TEL01395・5・2230へ。

提供 - 函館新聞社



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