来月派遣の自衛隊員の安全願い黄色いハンカチ

update 2004/4/20 10:01

 イラク南部サマワで復興支援活動に当たるため、陸上自衛隊函館駐屯地(函館市広野町6)の約50人が、第2次部隊として5月中にも派遣される見通しとなり、自衛隊函館地方連絡部(同)は19日、派遣隊員の安全を願い、庁舎に黄色いハンカチを掲げた。日本人の拘束事件が相次ぎ、治安の悪化が伝えられ、派遣に対する世論の賛否も依然、分かれている。ただ、隊員の無事な帰還を願う点では、市民の思いは一致している。

 今回のハンカチの掲示は、山田洋次監督の映画「幸福の黄色いハンカチ」をモチーフに、第2師団司令部がある旭川で1月に始まった。函館では協力団体などが中心となり、今月初めから各事業所などへ掲示を呼び掛け。同地連も賛同し、この日、30a四方の布、計40枚を掲げた。

 同連絡部の廣江清部長は「函館駐屯地は、わが連絡部を経て入隊した人が大半。身近な仲間として、任務の遂行と無事な帰還を願うばかり」と話した。

 市民の中では派遣を巡り、賛否の意見が割れている。市内谷地頭町の主婦(29)は「国際的な立場を考えれば、いまの日本が現地で活動することに賛成」、市内赤川町の男性会社員(65)は「復興支援には訓練を受けた自衛隊が最適。隊員たちの覚悟もできているだろう」と話す。

 これに対し、市内高松町の無職の男性(75)は「戦争体験を持つ者としては、派遣という現状に大きな不安がある」、市内元町の主婦(78)も「国には国の立場もあるが、われわれ一般市民の反対の声は届かない」と嘆く。

 ただ、賛否それぞれの意見がある中、「隊員が皆、無事に任務を終え、帰国することを願う」という点では、市民の声は一致している。

 2次部隊は、陸上自衛隊第11師団(司令部・札幌)を中核に、同師団の真駒内、函館、滝川など、各駐屯地の隊員ら約460人で組織される予定。第2師団(司令部・旭川)をメーンとした1次部隊の交代要員で、大型連休前にも派遣命令が出されるとみられる。函館でも家族への説明会が開かれるなど、準備が進められている。

提供 - 函館新聞社



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