渡島管内の地下水汚染31ヵ所

update 2004/4/19 10:52

 渡島管内の6市町村、31カ所の井戸水(地下水)で、国が定める環境基準を上回る硝酸性窒素が検出されたことが、道の調査で分かった。調査対象の4・5%に当たる。全道では6481カ所中、8%に当たる517カ所で基準を上回った。過剰な施肥や家畜のふん尿の不適切な処理、生活排水の地下浸透などが地下水を汚染しているとみられる。硝酸性窒素は、体内に過剰摂取されると酸素欠乏症を誘引する可能性もあるという。道は2014年を目標に、すべての地下水で環境基準クリアを目指す考えだ。

 渡島管内では、井戸695カ所を調査、31カ所で環境基準(1リットル当たり10ミリグラム)を超えた。基準超過した井戸の割合(超過率)は4・5%で、道内14支庁のうち4番目に高かった。

 桧山管内では、64カ所のうち、環境基準値を超えたのは1カ所。超過率は1・6%で、道内で9番目だった。

 道は、汚染の原因として、生活排水の浸透のほか、農業の肥料や家畜ふん尿が、作物の吸収や土壌微生物の分解能力を超えて投入、処理されていることを挙げている。

 硝酸性窒素を高濃度で含む水は、血液中の酸素運搬能力が阻害され、健康を損なう恐れがある。特に、乳幼児は酸欠症状に陥りやすく、欧米では死亡例もあるという。

 道は水質汚濁防止法に基づき、1999年から既存の井戸の水質調査を実施している。今回、地下水汚染の全体像を把握するため、道内で約4万カ所ある井戸のうち、地域を代表する6481カ所を抽出、2002年までに道民から持ち込まれた井戸水などのデータとともに、分析した結果をまとめた。

 その結果、全道で硝酸性窒素の環境基準を上回っていたのは、全体の8%に当たる517カ所に上った。そのうち、390カ所の井戸は飲用として利用されているという。

 地域別では、網走管内が最も超過率が高く、1401カ所のうち25%に当たる352カ所で環境基準を上回った。また、同管内では、環境基準の5倍以上の高濃度を記録した井戸が24カ所あった。

 このほか、超過率の高かった地域は、胆振管内(6・2%)、空知管内(5・1%)、十勝管内(4・5%)と続いた。一方、すべての井戸で基準をクリアしていたのは宗谷、日高、根室の3管内にとどまった。

 今後、道は支庁ごとに行動計画を作り、道民、関係団体、行政が一体となり改善を進めていく方針。

提供 - 函館新聞社



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