旧函館ドック跡地、函館市が1億円で購入

update 2004/4/9 10:13

 経営再建中の北海道振興(本社・札幌、毛利稔社長)が所有する旧函館ドック跡地(同市弁天町20、23・3ヘクタール)について、函館市は8日、同地を1億円で購入することで同社と合意した。購入は市土地開発公社を通じて行い、5月中にも正式に契約するとみられる。市は、産学官連携で進める「函館国際水産・海洋都市構想」の拠点地として活用する方針だ。

 ドック跡地は、井上博司市長が今年2月、同社から昨年秋ごろに購入の打診があったことを明らかにし、内部で活用方法などの検討を進めていた。

 北海道振興などによると、この日、同社の毛利社長らが市を訪れ、購入に合意。また、同社が跡地内で所有するクラシックカー(約200台)も、地元民間企業への売却が固まった模様で、新たな観光資源として期待される。

 市は購入後、国際水産・海洋都市構想の中核施設として「水産・海洋総合研究センター」の建設を検討。現時点では総事業費を90億円と想定し、渡島東部4町村との合併に伴う合併特例債を活用する考え。ただ、活用に際しては1993年の北海道南西沖地震で受けた岸壁被害の修繕が必要となっており、国からの支援を受ける意向だ。

 同地は89年、同社が「特定船舶製造業安定事業協会」から約30億円で購入。90年には敷地内に展望タワーや温泉、ホテルなどを整備する「マリンパーク構想」を計画したが、南西沖地震での被害やバブル期の不動産投資が負担となり、計画が中断。同社は03年4月、札幌地裁に民事再生法の適用を申請した。

提供 - 函館新聞社



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