函館管内自殺者増加、中高年が半数
update 2004/4/9 10:13
道南でも自殺者が増えている。道警函館方面本部によると、2003年には195人が自ら命を絶ち、前年より11人多いという。負債や失業など「経済・生活問題」に起因する自殺が増え、年齢別では、40代、50代の中高年だけで全体の半数を占める。また、年度変わりに集中する傾向にあり、同方面本部は「今時期は要注意。周囲の人は、前兆を見逃さないで」と話している。
管内の自殺者は1999年に149人、00年に163人、01年に150人、02年に184人と増加傾向で推移。昨年の195人は、10年前と比較すると約1・8倍になるという。
同方面本部によると、昨年は男性が前年比10人(7・6%)増の142人(72・8%)、女性は同1人(1・9%)増の53人(27・2%)。20歳未満は、前年より2人減の4人(2・1%)だった。
原因・動機別でみると、「経済・生活問題」が78人(40・0%)で最も多く、「病気苦」が48人(24・6%)、男女間のもつれなどの「その他」が46人(23・6%)、「家庭問題」が12人(6・2%)と続く。「経済・生活問題」のうち、42・3%に当たる33人が借金の返済に困るなどしていた。
職業別では、無職者が109人(55・9%)で最も多く、被雇用者が45人(23・1%)、自営業者が32人(16・4%)と続いた。同方面本部は、無職者のうち失業者の占める割合が大きいとし、「長引く不況が一因にある」とみる。
年齢別でみると、50代が53人(27・2%)で最も多く、40代が43人(22・1%)、60代が35人(17・9%)の順。同方面本部は「年齢的に働き盛りの人の割合が高い」とする。
月別では、4月が24人(12・3%)、5月が23人(11・8%)、3月が22人(11・3%)で、この3カ月で年間の自殺者の約35%を占める。同方面本部は、年度変わりに集中する傾向を「未成年者では進学・進級が、成人では経済状況の影響が、それぞれ関連しているのでは」と分析する。
調査は、同方面本部が取り扱った変死体の検視結果をまとめた。日本国籍以外の人も含め、管内で確認できた自殺者すべてを数えた。
提供 - 函館新聞社
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