ヒグマ対策 水田に電気牧さく設置

update 2004/4/7 10:10

 渡島支庁は本年度、「渡島半島ヒグマ対策推進事業」で、農作物の被害を防止する電気牧さくを初めて水田に設置する。木古内町中野地区の水田をモデル地区に予定。トウモロコシ畑などで示してきた保全効果を、面積の大きい農地で立証する考えだ。

 電気牧さくはワイヤに6000―9000ボルトの電流を流し、電気ショックでヒグマを撃退する仕組み。ワイヤに触れた衝撃の怖さをヒグマに覚えさせることで、耕作地への再侵入を防ぎ、農作物を守る。

 渡島、桧山管内では1999年から設置を進め、既にトウモロコシ畑やスイカ畑などで被害防止の効果を挙げている。

 本年度設置するのは木古内町中野地区の水田で、さくの外周は700メートル。ヒグマのイネ食害が毎年発生し、周辺の見通しが悪く、農作業時に不安を与えることから、モデル地区に決めた。収穫期を控える夏場に設置を予定している。

 支庁独自事業(地域政策推進事業)として、木古内のほかモデル地区2カ所を選定中で、総事業費は42万8000円。渡島支庁は「どんな作物でも被害を防ぐことができるはず。作物の安全確保に期待できるのでは」(環境生活課)と話している。

 渡島管内のヒグマによる農作物被害状況は2002年度で、995万4000円に上っている。   

提供 - 函館新聞社



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