市立函館病院の問題発生件数22件

update 2004/4/5 10:17

 市立函館病院(長谷川正院長)の本年度2月末までの問題発生件数が、まとまった。治療を要するが、傷害は残らない程度(レベル4)から死亡する事案(同6)までの件数は22件で、ほぼ前年度(総数25件)並みの水準で推移している。

 同病院は2002年8月、医師、看護師、医療技術者、事務局職員ら委員30人から成る医療安全管理委員会(委員長・小澤正則副院長)を発足させた。

 自治体病院協議会などの指針を参考に、院内での問題を6つのレベルに区分。職員らは無記名でも記入できる報告書を院内の専用箱に提出する。同委員会で毎月1回、内容を審議し、レベル1―6に分類し、院内ニュースで事例を紹介し、再発防止を促している。

 同1―3は、何らかの問題は発生したが、実害が生じなかったケース。同4は「要治療だが、障害は残らない」、同5は「要治療で、傷害が残る」、同6「死亡」と規定。原則すべて公表の方針で、特に同5以上は、家族らの了解を得て公表する―などの基準も設けている。

 実害が生じる同4―6の発生件数は、同4が17件(前年度総数18件)、同5は1件(同1件)、同6は4件(同6件)。同5は、1月に発生した医療ミスにより40代男性が植物人間状態になった事案。同6は自損行為や原因不明の死亡などで、医師法に基づいて警察に通報している。

 また、同1―3は666件で、前年度総数311件の2・1倍に達している。同病院事務局は「重大ミスを防止するため、ミスとは言えないようなケースも含めてすべて報告するようにした結果。こうした取り組みを通じてあらゆるミスの未然防止に努めていきたい」と話している。

提供 - 函館新聞社



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