今春森高校卒業の可香さん、念願の介護福祉士に。

update 2004/4/3 09:58

 【森】森高校(黒田信彦校長)を今春卒業した可香徳一さん(18)が、このほど行われた介護福祉士試験に合格した。道南で男子高校生が同試験に合格したのは今回が初めて。今月から町内の森の里病院に勤務する可香さんは「患者さんたちを笑顔にできる、明るく楽しい福祉の担い手になれれば」と張り切っている。

 高校生が同試験を受ける場合、在学中に基礎介護や社会福祉演習、看護基礎医学など、30数単位の取得が必要となる。道南で、これらを学べるカリキュラムがあるのは、函館大妻高校と総合学科を導入する同校だけ。

 森高では今回を含め、13人の合格者を出しているが、男子生徒は可香さんが初。大妻高は女子校のため、道南全体でも可香さんが第1号となった。

 中学3年生の進路相談の時、「世の中にはだれかの助けを必要とするお年寄りが多い。そのお手伝いをしたい」と決意し、福祉関連のカリキュラムが充実している森高へ進んだ。介護福祉士資格の取得を目指し、生活福祉系列の授業を選択。教室での授業のほか、福祉施設での実習などに励んだ。

 実習先の老人ホームでは「おむつ交換などは大変だったが、お年寄りから『ありがとう』と言われる喜びが勝った」という。

 つらかったのは、一緒に福祉関連への就職を目指していた男子同級生が3年になる際、生活福祉系列からほかの系列へ移ったこと。男子生徒は1人になってしまったが、目標に向かって受験勉強に励み、3月に合格の知らせが届いた。

 担当の原田純子教諭(28)は「福祉の世界は女性が中心。特に男子高校生にとっては狭き門と言える。ただ、ニーズは今後、高まるとみられ、今回の合格は後輩たちにとって大きな励み」と話す。

 可香さんは「資格を取ったことで、将来へのさまざまな展望が開けた。後輩の男子生徒たちには、勉強と遊びのバランスをうまく取って、頑張ってもらいたい」とエールを送る。

提供 - 函館新聞社



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