恵山3セク破産宣告

update 2004/3/30 10:09

 自己破産を申請した風力発電事業を行う恵山町の第3セクター「恵山クリーンエネルギー開発」(社長・工藤篤町長)は29日、函館地裁から破産宣告を受けた。負債総額は4億8000万円で、町がすべて補償するため、最終的には12月に合併する函館市が債権を引き継ぐ公算が大きい。

 工藤町長は同日、函館市内のホテルで記者会見し、設立当時社長だった山田忠昭前町長らが策定した事業計画のずさんさを指摘した上で、「(風が吹かない)現状が本来の姿で存続は不可能。苦渋の選択だった」と釈明した。

 債権の内訳は日本政策投資銀行が3億4000万円、みずほ銀行が1億4000万円など。破産管財人が4月16日まで債権の届け出を受け、6月9日に債権者集会を開く。

 今後は債権圧縮を図るために金融機関に債権放棄を求めるほか、誤った風速計測データを無償提供した風車輸入業者に対する損害賠償請求も検討するという。

 会見で工藤町長は、事業計画の元になった風速計測データの誤りから、今後収支が好転する見込みがないことを説明。山田前町長の経営責任については「町議会が今後、百条委(地方自治法100条による調査委員会)でどうしていくのかが問われる」と議会に委ねた。

 12月合併予定の函館市への影響は「できるだけ迷惑をかけないようにしたいが、合併のスタンスは正も負も引き継ぐ」と述べ、市への債務負担移譲も示唆した。

 一方、函館市の井上博司市長は同日、記者団に対し「百条委の設置、自己破産の申請についても合併までに、町として一定の整理をつけたいと話していた工藤町長の姿勢と受け止めている」と、理解を示した。

提供 - 函館新聞社



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