風車の配置に問題か 江差風力発電問題で調査委
update 2004/3/30 10:07
【江差】江差町の第3セクター・江差ウインドパワー(社長・濱谷一治町長)の経営問題で、風力発電所の技術的問題を検証するプロジェクト委員会(委員長・牛山泉日本風力エネルギー協会会長)の第2回会合が29日、同町内で開かれた。28基ある風車のうち、気流の乱れなどが原因で、風下にある風車の発電出力が極度に低下していることなどから、風車の配置など、発電所の基本設計に問題がある可能性が高いことが分かった。
風車の運転状況を調べた結果、2003年3月から04年2月までの1年間、発電可能な状態を示す稼働率は、平均96・4%と全国平均と比較して良好な数値を示した。
だが、実際の発電出力の割合を示す設備利用率は平均14・6%と、当初計画の半分に満たない状態。同委は、風下側の風車で著しく設備利用率が低下する傾向があると分析。地形に対する風車の配置、風車間の距離が近付きすぎていることなどが原因とみて詳しく調べている。
会議では、英国のコンサルタント会社が、発電所建設前の00年11月、風車数や配置に疑問を示す報告書を、江差ウインドパワーの株主で、当時の事業主体だった斐太工務店(名古屋市)に提出していたことが分かった。
同工務店は、当初から28基の風車設置を計画し、配置を検証するよう依頼。コンサルタントは、風車数や風車間の距離に疑問を示し、発電機メーカーと協議するよう求めていた。
牛山委員長は「最適のレイアウトなら風車数はもっと少なかったはず。北電の買電枠である2万1000キロワットへの対応だけを前提に28基(1基750キロワット)を計画したのではないか」との認識を示した。
同委は、理想的な風の状態で、どの程度の発電出力を得られるかシミュレーションを実施。風車の配置や気流の乱れが出力低下にどの程度、影響しているのかを調べ、配置見直しを含む解決策について議論する。
提供 - 函館新聞社
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