町会、新入学祝い中止・学校がプライバシーの保護
update 2004/3/23 10:12
町会が児童の新入学を祝うため、関係分の名前を学校に問い合わせたところ断られ、長年続いた「お祝い」が中止になる事態が発生している。学校側はプライバシーの保護などを理由に挙げているが、町会からは「地域を信用しない学校には協力できない」との不満が噴出。市教委が推進する“開かれた学校”との整合性を問う声が高まっている。
問題となっているのは、函館西部地区の中規模校の対応。関係町会の1つは、新入学児童への記念品贈呈を伝統行事として長年、続けてきたが、人数すら把握できず、中止する方針を決定した。
同校では「利用目的がはっきりしているということで問い合わせに応じてきたが、児童が被害者となる事件の発生増加などを受け、今年から断ることにした」とコメント。「悪用はないと思うが、万が一のことを考えた」と説明する。
これに対し、町会側では「授業参観に地域住民を招待するなどの交流を行っており、このときだけ、町会員は安全と考える理由が分からない」と指摘。「(町会員が行っている)防犯パトロールなども、信用できない人がやっているという見解なら続けられない」と不満を募らせる。
町会の中には、学校の立場などに配慮し、回覧板で新入学児童の情報を集めるところもある。ただ、町会未加入者の子供にも祝い品を贈っていた同町会では「学校に聞かずに、関係する新入学児童全員に記念品を渡すのは困難」と話し、「信用されていない」と憤る。
市教委学校教育部指導室では「原則として、学校が個人情報を勝手に外に出すわけにはいかない」としながらも、町会のお祝い会のような長年の伝統行事への協力については「各学校長が地域特性などを考えて判断しているのでは」と話し、問題に距離を置く。
同校のPTA会長は父母の立場として、「学校が子供の安全を考えていることはよく分かる。ただ、地域の中の学校でもあり、うまく連携を取ってほしい」と語り、両者の融和を訴えている。
提供 - 函館新聞社
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