小田島川に浄化に自然石

update 2004/3/19 10:27

 函館市は新年度、市内で最も環境汚染が進んでいる小田島川(富岡町3―港町3、延長3・6キロ)の浄化策として、自然石の「ナチュラルセラミックス」を用いた浄化装置を設置する。同時に微生物を散布し、有機物を分解し、水中の酸素を増やすのが狙いだ。2001―02年度に導入したカキ殻を使った浄化策に限界が見られるためで、同市内では初の試みとなる。

 18日の市議会予算特別委員会(能登谷公委員長)で、金澤浩幸議員(市民自由クラブ)の質問に木下修一土木部長が答えた。

 使用するナチュラルセラミックスは、多孔(こう)質と呼ばれる種類で、遠赤外線を発する効果もある。小石大のナチュラルセラミックスをネットに入れて川に浮かばせる。散布する微生物がセラミックスの孔内で増殖し、ヘドロなどの有機物を分解していく。「水中酸素量が少なくても分解能力が強い」(木下部長)という。

 設置は2カ所で、いずれもロープに複数のネットをつなぐ。ロープの長さは100メートルと25メートル。いずれも上流部分の「ヘドロがたまりやすい場所」で、100メートルの方はカキ殻の設置場所付近。

 小田島川は水源がなく、主に生活・工場排水が流れ込む。市が03年に行った水質調査の結果、値が低いほど「きれい」とされる生物化学的酸素要求量(BOD)は、最低が1リットル「当たり12ミリグラム、最多は同110ミリグラム。環境基本法は同10ミリグラム以下が「不快感を感じない」としていて、汚染程度は深刻だ。

 市は01、02年度に計62立方メートルのカキ殻を沈めて浄化策に乗り出した。殻に付着したバクテリアがヘドロを溶かすとされ、当初は一定の効果があったが、その後効果が薄れ、新たな対策が求められていた。

 同部は、5月中旬にも新装置を設置する予定で、効果を調査した上、05年度以降の対応を検討する。

提供 - 函館新聞社



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