シネマアイリスで田宮版白い巨塔上映へ
update 2004/3/6 13:52
フジテレビ系列で放送中の医療ドラマ「白い巨塔」が全国的にヒット、人気が上昇する中で、38年前に封切られた同作品のモノクロ映画や26年前のテレビドラマ(カラー)に、函館でも注目が集まっている。シネマアイリス(函館市本町22)では13日から同映画を上映、また、市内のレンタルビデオ店では映画のビデオやドラマのDVDなどが好回転している。映画、ドラマとも主役は二枚目俳優の故・田宮二郎さん。同作品のオリジナルともいえる“田宮版”への回帰ブームが起きている。
現在、再ドラマ化した“平成版”が放送されているが、原作の面白さに加え、豪華キャスト陣の好演から平均視聴率で20%を超える人気番組となっている。初めて同作品に触れる若年層のほか、オリジナル世代からの評価も高く、幅広い年齢層の支持を集めている。
同劇場ではこの反響を受け、日本映画名作セレクションとして同映画の上映を企画。13―19日まで連日午前9時50分から1回上映する。料金は1000円。
同劇場の菅原和博代表は、当時、映画を東京で見たオリジナル世代。「函館のスクリーンに登場するのは30数年ぶりだと思う。今のテレビドラマもいいが、“田宮・財前”をぜひ見てほしい」と思い入れもたっぷりだ。
“田宮版”の映画やテレビドラマはビデオやDVD化されており、市内のレンタルビデオ店などでも“平成版”が放映されて以降、日に日に人気も高まっている。
サンホームビデオ新函館港町店(市内港町3)では「“平成版”の放映開始直後はそうでもなかったが、ここのところはほぼフル回転状態で貸し出している」という。TSUTAYA函館鍛治店(同鍛治2)でも「以前は映画のビデオは1、2本しかそろえていなかったが、人気があることが分かり、5本に増やした。それでも常に貸し出し状態。DVDのテレビ版も同様の人気ぶり」と説明する。
オリジナル作品のブーム再燃について、菅原代表は「悪に人間的な魅力がありすぎて、善を超えてしまった作品。大きな枠組みが生む、ある種のやるせなさが、見る人の心に刺さるのでは」と話している。同劇場への問い合わせは31・6761。
白い巨塔 山崎豊子さんの原作。1963―64年にサンデー毎日に連載され、日本医学界の内幕、謀略、欲望を描き、問題作として大反響を呼んだ。66年に山本薩夫監督が映画化、田宮さんを主人公の財前五郎役に据え、2時間半の大作に仕上げた。78―79年にフジテレビ系列で映画同様、田宮さんを主役にドラマ化。最終回直前に田宮さんが自殺するなど、社会的にも話題となった。
提供 - 函館新聞社
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