鹿部のダチョウ施設、53羽結核で処分
update 2004/3/4 12:21
【鹿部】JR北海道(本社・札幌市)のダチョウ養畜施設「大地鳥ブリーディングセンター」(鹿部町駒見)で、鳥の結核に当たる「抗酸菌症」が発生、昨年10月までに同じ飼育舎にいた53羽を処分していたことが3日、分かった。渡島家畜保健衛生所によると、鳥の養畜施設で発生が確認されたのは、国内で初。同社はダチョウの処分のほか、敷地内表土の入れ替えや、消毒などの衛生管理を徹底しており、被害拡大の可能性は低いとみられる。
同社や同保健衛生所によると、発生が明らかになったのは、1999年に南アフリカから輸入した繁殖用の親鳥60羽のうち、1羽が昨年6月に突然死したため。不審に思った同センター職員が、同保健衛生所に原因究明を依頼したところ、抗酸菌症にかかっていたことが判明。さらにその後の調査で18羽に感染していることを確認した。
同保健衛生所は「菌は南アフリカから持ち込まれた可能性が高い」とみているが、「感染経路の解明は難しい」と説明。帯広畜産大学の牧野壮一教授(家畜微生物学)は「高病原性鳥インフルエンザに比べると感染力はかなり弱く、感染拡大の可能性は低い」という。同センターは「(現状で)被害が拡大していないことが幸い。今後は、関係機関と連携しながら、今まで以上に衛生管理を徹底したい」と述べている。
同センターで、現在飼育しているダチョウは約300羽。南アフリカ産親鳥の処分後は、繁殖用親鳥を国内産などにすべて切り替えた。ダチョウ肉の販路は、道外にもあるが、採算性が乏しく、昨年12月、グループ会社の北海道企画開発(同)に事業を移管している。
【抗酸菌症】鳥の結核の一種で、食欲減退などにより、発症後数カ月以内に衰弱死する。鳥類同士では感染するが、人への感染例は確認されてない。国内では動物園や輸入したペットで発生したケースがある。
集団発生すると、ニワトリ、アヒル、七面鳥、ウズラの場合は、家畜保健衛生所に伝染病の届け出が必要だが、ダチョウは固体数が少ないこともあり、届けの必要はない。
提供 - 函館新聞社
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