木古内町、市に合併を正式に申し入れ

update 2004/3/4 12:20

 木古内町の大森伊佐緒町長は3日、井上博司函館市長に対し正式に合併を申し入れた。合併特例法の期限となる2005年3月末までの合併を希望する大森町長に対し、井上市長は「渡島東部4町村との合併を固めた上でないと約束できない。飛び地であり、慎重な議論が必要」と、前向きながらも慎重な姿勢を示した。市の結論は、6月に予定している市議会の合併議決以降となる見通し。

 大森町長は、町議会の竹田實議長、町議会市町村合併調査特別委員会の四渕初良委員長とともに同市役所を訪れ、約30分間、井上市長と面談した。大森町長は知内、上磯・大野各町との合併を断念した経緯などを報告し、合併を申し入れた。

 記者会見した大森町長は、同市を選んだ理由について「函館は町民の生活圏」と説明。さらに「主たる財源である地方交付税がこの3年間で大幅に削減され、財政維持が難しい」と述べた。合併時期については「来年3月の議決を目指したい」としたが、「5市町村の合併に迷惑をかけないようにと考えている」と話した。

 一方、井上市長は「飛び地であり、より精密に住民や市議会、道の意向や(木古内と市の間となる)上磯町の話を聴かないといけない」と、幅広い視点で検討する意向を示し、合併メリットは「中核市の要件となる人口30万人維持が安定する」と述べた。

 事務的協議は4町村で合併協定書に調印する4月以降の見通しで、協議する際は厳しい行財政改革を同町に迫る方針。

 道市町村課によると、道内で飛び地で法定合併協議会を立ち上げているのは根室管内の中標津・羅臼両町など3地域。渡島支庁の河合裕秋副支庁長は「4町村との協議をきちんと進めたうえで、検討してほしい」と話し、上磯町の海老澤順三町長は「大野町と進めている合併協議が落ち着いた段階で、(この件は)検討したい」と述べた。

提供 - 函館新聞社



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