三和問題で井上市長が改めて説明「ボランティアに理解を」

update 2004/3/3 09:58

 函館市の井上博司市長は2日、三和廃棄物処理産業(現・清算法人)の不法投棄事件に関し、同処分場(東山町174)周辺の住民と会談した。同市長はこれまでの不手際を謝罪、今後の原状回復作業について、廃棄物中間処理業者らからの無償協力を得る方針を住民側に改めて示し、理解を求めた。併せて、函館商工会議所など地元経済界もボランティアに協力する意思を示したことを明らかにした。住民側からは市の方針に理解を示す声があった一方、不信感をぶつけた出席者も目立った。

 井上市長はこの日、市民会館で行われた、三和処分場周辺の6町会住民で組織する「東山・山の手地区まちづくり協議会」(川瀬晋会長)に初めて出席。一連の経過について「市の対応のまずさから大きな問題に発展した」と謝罪し、早ければ今月中にも、火災発生の恐れがある木くずと伐根の処理を、廃棄物中間処理業者らの無償支援を受け、実施する考えを説明した。

 また、函館商工会議所をはじめ、建設・造園業界から支援の意向があったことも明らかにし、「オール経済界が支援する。3日にも正式発表があるだろう」とした。

 質疑応答では、山の手2丁目中央町会の委員が「ボランティアはどう考えても理屈に合わない」と指摘し、行政代執行での処理を求めた。これに対し同市長は「市の不手際で生じた問題を、税金を投入して回復することは全市民的にいかがなものか」との見解を示し、「港祭りなどのイベントでも、経済界から寄付をいただいている。癒着は起きるはずがない」と述べた。

 「1、2カ月遅れても、市民全体の合意を得てからに決めてほしい」(ニュー東山町会)という意見については「三和は特異な事例で、全市的問題とする考えはない」と強調した。

 さらに、西尾正範助役は、今回の処理方針に至った経緯について、「白樺(三和の原状回復作業を支援していた食品会社)に廃棄物処理業の許可を与えた場合でも、与えない場合でも裁判が予想され、原状回復が遅れる」と説明し、理解を求めた。

 会合には6町会の役員18人が出席。傍聴者も24人訪れた。

提供 - 函館新聞社



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