巡視船おくしり29年間の任務に幕、函館港で29日引退式
update 2004/3/3 09:58
【江差】江差海上保安署(豊田啓一署長)所属の巡視船「おくしり」(495トン)が、1975年の就役以来、29年間の任務を終えて引退することが決まった。今月29日に函館港で解役のセレモニーが行われる。
「おくしり」は75年2月、9管本部(新潟市)所属の巡視船「さど」として配属。2001年1月に同署に所属替えとなり、船名を現在の「おくしり」に改めた。江差港を母港に日本海沿岸での海上警備や海難救助などに貢献した。
停泊中のスマートなシルエットが住民に親しまれ、夜間の照明に浮かぶ船影は、江差港の夜景を彩った。
同署によると「さど」時代を含む「おくしり」の総航行距離は、地球を18周する距離に当たる約39万カイリ(約72万キロ)に及ぶ。29年間に351件の海難救助に出動し、286人の命を救った。同署配属後は02年4月に、ロシア国境警備庁の警備艇による、国籍不明船(ロシア船籍と確認)追跡に参加。奥尻島沖で同船を捕捉、停船させてロシア側に引き渡した実績がある。
現役を退く「おくしり」に代わり、同署には8管本部(舞鶴市)所属の新鋭巡視船「くらま」(195トン)を配属する。配属と同時に船名を「かりば」に改める。新船名は瀬棚町北部の狩場山(1519メートル)にちなんだ。乗組員の操船訓練を経て、4月上旬に配備される。
「くらま」は95年就役。ウオータージェット推進で、最高速度は「おくしり」の約2倍に達する時速約65キロ。01年12月に東シナ海で発生した北朝鮮工作船事件でも威力を発揮した、目標を自動追尾し、荒海でも安定して射撃できる高性能20_機関砲のほか、夜間の海上でも船舶を識別できる、赤外線捜索監視装置を装備。不審船対策など沿岸警備や海難救助への対応能力が大幅に向上する。1管本部管内での同型船の配備は3隻目。本道の日本海沿岸への配備は初めて。
提供 - 函館新聞社
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