中小企業大学校、函館で総合診断実習

update 2004/3/2 17:00

 国の中小企業経営者研修機関「中小企業大学校」が、中小企業診断士養成課程の一環として、8月から9月にかけて函館市内で総合診断実習を行うことが、このほど決まった。期間中に市内の大型店、商店街へのアンケートや個別企業での実習などを行い、地場産業の現状を分析する。市は実習生の滞在に伴う、一定の経済効果に期待を寄せている。

 東京・東大和市にある大学校では、毎年9月から1年間の研修で、座学などを通じて中小企業診断士を養成し、企業の振興策を指導している。研修生は自治体をはじめ、金融機関、経済団体関係者などから派遣された104人。

 函館での開催は1995年以来2度目で、市の各種中小企業施策が高い評価を得たことが、開催地決定につながった。研修生のうち半数近くにあたる60人前後が、8月28日から9月16日まで約3週間滞在、残りは岩手県盛岡市で研修に励む。

 市内での研修は、第1段階として商店街や大型店へ買い物に訪れた市民へのアンケートや、製造業組合などへのヒアリングを通し、商業状況の実態と課題を分析。その後、個別に流通業、製造業の各企業や商店の経営状況を診断。9月上旬には研修に基づいた提言をまとめ上げ、各企業に報告する。

 市は「中小企業振興の第一線で活躍する人々が、さまざまな地域産業の現状を分析する意義は大きい」(商工観光部商業課)と函館での実習決定を喜び、60人が同じ場所で20日間寝泊まりするため、「1200人が1日に宿泊したのと同程度の経済効果」(同課)と期待。研修成功に向け、関係機関との連携を強める方針だ。

提供 - 函館新聞社



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