道警の報償費不正支出疑惑、弟子屈署元次長が監査請求
update 2004/3/2 16:59
【札幌】道警の捜査用報償費不正支出疑惑をめぐり、弟子屈署(釧路管内弟子屈町)元次長の斎藤邦雄氏(56)=札幌市在住=と札幌の市川守弘弁護士が1日、同署の同報償費が目的外に使用されていたとして、道警本部に損害補てんを求める住民監査請求を道監査委員に行った。同疑惑に関する監査請求は昨年12月、札幌市内の弁護士グループが旭川中央署のケースについて行ったのに続き2例目。警察官OBの監査請求は全国初となる。
斎藤氏は請求後、現職当時に書類を偽造して報償費を不正支出し、裏金としていた実態を記者会見で明らかにした。道警OBが不正を実名で証言したのは、既に道議会総務委の参考人招致(4日)が決まっている元道警釧路方面本部長の原田宏二氏に次いで2人目。
斎藤氏は「(疑惑に対する)道警の不誠実な対応に、道民をばかにしているとの怒りの気持ちが抑え切れなくなった。OBを含めて本当に道民に謝罪する時がきた」と心境を説明。「良心のかけらがあるのなら、一日も早く不正を認め、やり直してほしい」とした。
監査の措置請求書などによると、弟子屈署では2000年4月から01年3月までの間、会計書類を偽造して総額35万円の報償費を裏金にし、幹部交際費などに拠出。斎藤氏は同署次長として裏金を管理保管しており、こうした不正行為は道警内で長年行われていたと指摘している。
斎藤氏は「入金即裏金という状況だった。弟子屈署では正規に報償費を支出したことはない」と述べた。弟子屈署次長就任前の旭川方面本部地域課次席時代にも「カラ出張」などの不正書類を部下に作らせ、裏金づくりをしていたことも明らかにした。
斎藤氏は66年に道警入りし、主に防犯(生活安全)畑を歩み、97年に旭川方面本部地域課次席、00年に弟子屈署次長を務め、01年3月に53歳で退職した。「定年まで7年あったが、裏金づくりに嫌気がさして辞めた。退職したとき、『悪魔のじゅ縛』から解放されたような気持ちになった」と述べた。
提供 - 函館新聞社
ご注意:
●掲載している各種情報は、著作権者の権利を侵さないよう配慮の上掲載されるか、又は、各情報提供元の承諾の元に掲載されています。情報の閲覧及び利用については「免責事項」をよくお読み頂いた上で、承諾の上行って下さい。
●掲載中の情報の中には現在有効ではない情報が含まれる場合があります。内容についてはよくご確認下さい。