渡島の水産物安全安心ワンランクアップ推進事業

update 2004/2/29 10:47

 渡島支庁は新年度から、管内の水産物について、漁獲段階での衛生管理を強める「渡島の水産物安全安心ワンランクアップ推進事業」に着手する。保健所などと協力し漁業者向けの講習会を開催するほか、管内すべての漁協で衛生管理指導者を育成。「漁獲」から「消費」までの一貫した衛生管理を目指し、安全、安心な水産物を消費者に提供する環境を整える。

 道内の漁協は2003年度から、北海道漁業協同組合連合会(道漁連)などと協力し、市場段階の管理衛生を図る「市場のガイドライン設定」を実施している。だが、漁獲から市場までの搬入段階では管理が不十分で、食中毒の発生要因が依然として解消されていないのが現状だ。

 事業は2カ年計画で、初年度は11月に漁業者向けの講習会を管内5地区で開き、1地区200人の受講が目標。講師は保健所職員らが務めるほか、講習会用マニュアルを5700部作製し、管内の漁業経営者、漁協職員すべてに配布する。2カ年目に予定している衛生管理指導者育成講座に向け、教材作製などの準備を進める。

 05年度は衛生管理指導者を各漁協2人程度を育成するほか、行政と道漁連などで組織する「衛生評価検討委員会」を立ち上げ、流通段階ごとの衛生管理体制を検証する。漁業者段階での取り組みを強化することで、流通業者や水産加工業者の意識向上につなげ、漁獲から消費までの一貫した衛生管理体制を構築していく。

 同支庁水産課は「消費者がいつ見に来ても、批判を浴びないように、漁業者の安全意識を高めてほしい」と話している。

提供 - 函館新聞社



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