木古内・蛇内遺跡から2、3歳の子供の歯形出土

update 2004/2/25 10:53

 【木古内】木古内町大平の蛇内遺跡でこのほど、縄文時代前期後葉(約5300年前)のものとみられる、推定2、3歳の幼児の歯形が付いた土器片が出土した。発掘作業にあたった町埋蔵文化財事務所は「当時を生きた人の、息づかいが感じられる遺物は珍しい」と話している。

 土器片は黄色みがかった褐色で、長さ4・2センチ、幅2・7センチ、厚さ1・2センチ。破損した土器や石器が、まとめて置かれていた盛土遺構の中から発見されたという。

 歯形は土器片の上下についており、幅5ミリ程度の歯の跡が1本ずつはっきり分かるほか、土器片の端には、小さなつめや指の跡も見られる。

 蛇内遺跡は、道の広域農道整備事業の実施に伴い、2000年7月から11月まで発掘調査した。同事務所は、出土した約13万点に及ぶ同遺跡の遺物整理で土器片を発見。昨春、千葉県の国立歴史民族博物館に分析を依頼し、判明した。

 同博物館によると、類似した形状の土器片の出土は現時点で例がないという。ただ、出土例をみても、子供の歯形を土器で保存しておく風習があったとは考えにくく、「粘土で遊んでいた子供がくわえて、偶然つけたものでは」(同博物館)という。

 同事務所の菅野文二調査員(56)は「歯形だと推測はできたが、確信はなかった。通常の土器や石器では分からない大昔の子供の様子が、リアルによみがえる遺物。広く子供たちに見てもらいたい」と話している。

提供 - 函館新聞社



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