4月から総額表示方式、市内小売店の現状
update 2004/2/25 10:52
消費税法の一部改正に伴い4月から、値札や広告などで消費税相当額を含んだ支払総額を表示する「総額表示」が事業者に義務付けられる。函館市内のスーパーやデパートなどの小売店では順次、総額表示に移行する店もあり、店舗内でも税抜き価格と税込価格が混在している。消費者が容易に支払い額を知ることができるようになる半面、業界や消費者団体関係者からは「負担覚悟の値下げのほか、便乗値上げも出てくるのでは」との声も聞こえてくる。
総額表示は「消費者が値札を見たときに支払総額がひと目で分かる」(財務省)としての実施。事業者側では、値札や店内表示の変更のほか、価格の変更も見込まれている。
義務付けは4月からだが、早めの対応をしている事業者もある。洋服メーカーなどでは、昨年末から徐々に新製品の価格表示を税抜き価格と税込み価格の併記にするなどの対応。函館市松風町の棒二森屋では2月から、春物商品を中心に表示変更をしており、同じ売り場の中でも、税抜き価格と税込み価格が混在する。「表記混在の状況は3月31日のぎりぎりまで続くだろう」と同店は見通しを語る。
一方、北海道スーパーマーケットダイエーは、3月31日の閉店後から4月1日開店前にかけて変更作業をする方針で、「徹夜になるかもしれない」(同店)。ただ、価格表示板は裏側に総額表示を記すことができるものを事前に準備するという。
表示方法も各店で違う。全国の百貨店が加盟する日本百貨店協会は、税込み価格と税抜き価格を併記する方針。スーパーなどでは「不具合をなくすため、税込み価格だけの表示をする」(北海道スーパーマーケットダイエー)という。
表示変更にかかる費用は事業者の負担となる。棒二森屋の負担額は、値札作製機械のソフト変更や価格表示板の取り替えなどで合わせて50万円ほどという。
また、例えば特売の“定番価格”で税抜き「198円」の価格表示も、4月からは税込みで「207円」となる。各界関係者からは「負担覚悟で税込み198円にする努力も求められる」「これを機に210円の値上げ表示をすることも想定される」などの声があり、特売商品の価格などにも影響が出そうだ。
提供 - 函館新聞社
ご注意:
●掲載している各種情報は、著作権者の権利を侵さないよう配慮の上掲載されるか、又は、各情報提供元の承諾の元に掲載されています。情報の閲覧及び利用については「免責事項」をよくお読み頂いた上で、承諾の上行って下さい。
●掲載中の情報の中には現在有効ではない情報が含まれる場合があります。内容についてはよくご確認下さい。