世界の気温と函館の冬に相関あり?

update 2004/2/23 13:22

 世界と日本の年平均気温と、函館の寒候期(12月―2月)の平均気温および降雪量の間に相関関係があることが、気象庁と函館海洋気象台の観測結果を元に作成したグラフの形から分かった。各グラフとも1980年代に入ってから平年値を超え始めており、総体的な波形が酷似。長期的に進む地球温暖化が函館のここ十数年の冬に影響を与えていることがうかがえる。

 世界の気温は、1880年の統計開始以来、長期的には100年に0・7度の割合で上昇しており、特に1980年代中盤以降に高温となる年が頻出している。平年との差が最も大きかったのは1998年(+0・64度)で、以降2002年(+0・54度)、2003年(+0・50度)とここ数年の値が上位を占めている。

 日本の気温(1890年統計開始)は偏西風の蛇行などで世界よりも変動が大きく、100年に1・0度の割合で上昇。特に1990年から高温となる年が多くなっている。上位は1990年(+1・04度)、1998年(+0・98度)、1994年(+0・82度)、1999年(+0・76度)、2002年(+0・53度)と世界同様に近年の値が占めている。

 世界、日本の年平均気温のグラフの位相は大きな波形を描きながら緩やかに上昇。いずれのグラフも1980年代を境にプラス気温に転じている。平均気温上昇の要因としては二酸化炭素など温室効果ガスの濃度増加に伴う地球温暖化、海面水温の変動などに見られる自然変動などが考えられている。

 函館の12月から翌年2月にかけての3カ月平均気温は氷点下1・83度。70年代は6年、80年代は5年で平年値を下回る寒い冬となっているが、1989年を境に高温の年が頻出。同年から2003年までの14年のうち10年が平年差でプラスとなっている。

 また、降雪量も89年を期に激変。降雪量の年平均は300aで、70年代、80年代は400aを超える年がともに3年ずつあった。しかし、90年代は99年の346aが最多で、この年と94年の311a以外はいずれも平年値を下回っている。

 函館の寒候期における気温や降雪量のグラフは1989年を境に大きくプラスに偏り始め、世界・日本の気温グラフの形とほぼ合致。函館海洋気象台では「これらのグラフの推移は極めて似ており、世界および日本の気温と函館の冬の間には密接な関係があると言える」としている。

 世界の年平均地上気温(陸上のみ)、日本の年平均気温は今月3日に気象庁が発表。函館の寒候期グラフは函館海洋気象台がまとめた。グラフは4つとも1971年から2000年の平均値を使用。平均気温から平年値を差し引いた平年差で表している。

提供 - 函館新聞社



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