未来大で初の特許

update 2004/2/23 13:20

 公立はこだて未来大学の研究グループがこのほど、超音波で障害物を認識し、体に付けたワイヤを通じて人に直接伝える新機械を開発した。今月中旬には、同大初となる特許を申請し、3月には東京と米国の学会で研究成果を発表する。障害物との距離を測ることで、視覚障害者の歩行を支援する機械として注目されるほか、さまざまな可能性もあり、同グループはさらに改良を進めていく。

 開発したのは、同大情報アーキテクチャ科の岡本誠教授、小野哲雄助教授、秋田純一講師、伊藤精英講師と同科の高木友史さん(4年)。2002年5月ごろから研究を始め、「CyARM」(サイアーム)を開発した。

 サイアームは縦12センチ、横8センチ、厚さ3センチ。細いワイヤの先に取り付けた金具をベルトに通し、本体は手に持って使う。先端部分にある超音波のセンサーが50センチから5メートル以内にある障害物との距離を計測。その距離に応じてモーターが作動しワイヤを巻き上げ、使用者の腕が引っ張られることで障害物までの距離を伝える。

 これまでも類似した機械はあったが、使用者はイヤホンを通じて聞こえる音の大きさなどを判断し、距離を理解しなければならなかった。これに対して、サイアームは「直感的にわかる」をコンセプトに、障害物との距離を直接、体感できるようにした。

 岡本教授は「2、3年のうちに実用化に向けて芽が出るような形にしたい」と述べ、本体の小型化など実用化をにらみながら改良を重ねていく。また、障害物との距離感だけでなく、対象物の質感を感じ取ることができないかといった可能性も探っていく。

 今回の研究は、文部科学省が進める「知的クラスター創成事業」の一環でもあり、岡本教授は「道内や函館などの企業と一緒に研究を進めていきたい」と話している。

提供 - 函館新聞社



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