児童虐待通知4月−1月、前年比16件減少の50件

update 2004/2/22 16:36

 北海道函館児童相談所(宮地廸彦所長)はこのほど、昨年4月から今年1月までの児童虐待相談受理等の状況をまとめた。通告件数(速報値)は50件で、前年同期に比べ16件の減少となった。しかし、1月に大阪で発生した中学生男児の虐待事件以降、通告件数が急激に増えるなど、虐待が「すぐそばにある」との見方は変わらないようだ。

 まとめによると、50件のうち地域別では、函館市内が34件のほか、桧山管内14件、渡島管内2件となっている。通告経路は、近隣・知人が14件で最も多く、学校などが9件で続いている。

 主な虐待者は、実母27件、実父13件、虐待の種類は身体的虐待が23件、ネグレクト(育児怠慢や無視)19件と多く、これまでと同じ傾向を示している。性的虐待は4件と数は少ないが前年より2件増えている。

 虐待を受けた子どもたちの年齢は、3歳から小学生までで33人と全体の63%を占め、弱い者に対する「力の支配」の構図が浮かび上がっている。

 同相談所は2002年度まで5年連続で通告件数、受理件数とも増加傾向にあり、今回、減少に転じたことで、通告件数面では一定の歯止めがかかった。半面、減少の理由については、まだ分かっていない。

 また、今回の速報値には含まれていないが、1月25日に大阪府岸和田市で発生した中学3年男児虐待事件以降、同相談所には8件の通告があった。

 宮路所長は「件数は全体的に減少傾向にあっただけに、函館も他の相談所に追いついたということだと思う。しかし、大阪の事件など虐待は嫌な状況に入っている。今でも近くで起こる可能性もある」と指摘している。

提供 - 函館新聞社



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