タイヤ直撃、重体の男児死亡
update 2004/2/20 13:05
【江差】江差町水堀町で18日夕、国道229号を走行していたダンプカーから脱輪した後輪タイヤが歩行者2人を直撃した事故で、重体になっていた、同町柳崎町の会社員、吉田麻砂美さん(36)の長男で保育園児の斗夢(とむ)ちゃん(3)が、19日午前3時42分ごろ、搬送先の函館市内の病院で脳挫傷などで死亡した。江差署は20日午後、斗夢ちゃんの遺体を札幌医大に運び司法解剖を行い、死因を詳しく調べる方針。
同署は同日、業務上過失致傷の現行犯で逮捕した同町柳崎町の会社役員、新谷勝男容疑者(62)同行の上、現場などで実況見分を行った。これまでの調べで、ダンプカーの荷台には規定をやや上回る土砂が積まれていたため、道交法違反(過積載)の疑いもあるとみて、同容疑者からさらに事情を聴いている。
同署は20日、容疑を業務上過失致死傷害に切り替えて同容疑者を函館地検に送致する。
事故を起こしたダンプカーは1994年の登録で、走行距離は33万キロ以上。斗夢ちゃんを直撃したタイヤは直径103センチ、幅25センチで重量は約110キロだった。
ダブルタイヤを固定していた8本すべてのハブボルトが折れており、このうち6本の破断面は新しいものだったが、残りの隣り合わせた2本のボルトは破断面は表面が腐食。鉄さびが付着して赤褐色に変色していた。
2本のボルトが事故発生前から破損していた可能性もあり、道警函館方面本部交通課と江差署では事故原因との関連について調べている。
運輸業界に詳しい人物は「複数のボルトが破損した状態で走行すれば、バランスを失い無理な力がかかったボルトが破損、タイヤが脱落する危険性がある。極めて危険な行為であってはならないこと」と話していた。
事故を受けて函館地区トラック協会(柏葉孔会長)では19日、渡島・桧山両管内の加盟266社に対し事故概要の速報を流し、注意を喚起した。同協会によると事故を起こした新谷容疑者の会社は加盟していないといい「珍しい事故だが通常の点検をきちんと行っていれば無かったはず」と話している。
函本交通課と同署では、折れたハブボルトに何らかの加重や疲労があったとみて、専門的な鑑定を行うとしている。
提供 - 函館新聞社
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