谷村志穂さん原作の「海猫」が映画化、今月末まで函ロケ
update 2004/2/17 14:43
札幌出身の作家、谷村志穂さん原作の小説「海猫」の映画化が決定した。函館や南茅部の美しい風景を舞台に、3人の男女が織りなす根源的な愛を描き出した作品で、メガホンを執るのは函館ゆかりの森田芳光監督。主演は伊藤美咲さん、仲村トオルさん、佐藤浩市さん。冬季ロケが14日から今月末まで南茅部町、函館市、上ノ国町で行われる予定で、今秋には全国東映系で公開される。新たな函館・道南ロケ作品として、注目を集めそうだ。
「海猫」は昨年、第10回島清恋愛文学賞受賞作。映画では昭和50年代の函館や南茅部を舞台に、日本人とロシア人を親に持つ美しい娘野田薫が南茅部の漁師赤木邦一と結婚。順風満帆な夫婦生活を営むが、次第に2人の愛情が薄れ、薫は好意を寄せてきた邦一の弟広次と結ばれる―禁断の愛に生きた女性の濃密な愛の物語。薫役には映画初出演の伊藤さん、広次役に仲村さん、夫邦一役は佐藤さんが演ずる。
谷村さんは、1990年にノンフィクション「結婚しないかもしれない症候群」で注目を浴び、翌年「アクアリウムの鯨」で小説デビュー。森田監督は「失楽園」「阿修羅のごとく」などで知られ、邦画界を代表する1人。函館ロケ作品「キッチン」(89年)でも知られ、市内での滞在機会も多く、函館への思い入れが深い。
現地ロケは2月のほか、6月中旬―8月上旬にも行われる。
ロケ場所のセッティングなどを協力している南茅部町水産林商課商工係の佐藤徹係長は「こんなに大きな映画ロケは初めて。名産のコンブ漁を行う一家の話とあって、コンブのマチ・南茅部をPRしたい」と張り切る。昨年末発足した、はこだてフィルムコミッション(沼崎弥太郎会長)も「最初の作品だけに、バックアップ体制を万全に行いたい」。森田監督と交流があり、今回のロケに参加している、同市元町の喫茶店経営、太田誠一さんは「念願のロケが始まり、谷村さんの大作を函館好きの森田監督がどのように撮るか興味津々。新たな名作となる予感がします」と話している。
原作・谷村志穂さんコメント
森田監督が長年、函館を撮り続けてこられたのを拝見してきたので、ロケ地を含めどんな場所でどんな風景を撮られるのか、私も楽しみにしています。函館の冬と夏、白い羽を広げて飛ぶ海猫たちの声、日に焼けた男たちと、抜けるように白い肌を持つ女…。目に耳に、スクリーンの中でときめかせてほしいです
森田芳光監督コメント
人間の根源的なテーマを探った作品を創りたいと思っていたところ、「海猫」に出逢い、ぜひ、映画化したいと思った。北海道の漁村にロシアとの混血の美人が嫁入りし、2人の男を愛してしまう宿命…。ロマンチックでドラマチックな極上の日本映画を作りあげたい
提供 - 函館新聞社
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