拉致被害者の声を聞く、江差南高で課題研究発表会

update 2004/2/11 11:40

 【江差】本年度末で閉科する江差南高(浅野吉保校長)の事務情報科(生徒16人)による最後の課題研究発表会が10日、同校で行われた。5班に分かれて1年間かけて取り組んだ課題研究の成果を発表。「北朝鮮」をテーマに取り上げたグループは、日本人拉致事件の被害者で、新潟県柏崎市の蓮池薫さん(46)、祐木子さん(47)と福井県小浜市の地村保志さん(48)、富貴恵さん(48)に、手紙で現在の心境などを尋ね、両夫妻から寄せられたメッセージを添えた回答などを発表した。

 拉致事件など北朝鮮問題をテーマに課題研究に取り組んだのは、同高3年の川上恵美さん、角花三智子さん、大沢由佳さん、松尾絵里さんの4人。拉致被害者の家族を支援する「救う会全国協議会」の荒木和博・元事務局長を通じて、蓮池さん、地村さん夫妻に「日本に帰国して一番楽しいこと」などを質問した。

 手紙で質問に答えた蓮池薫さんは、「家族、親せき、昔の友人に会えたこと。24年間お互い生死がわかりませんでしたから、みんなが元気で生きていることを知って本当に感慨無量でした」と回答。祐木子さんは「近くに家族、親せき、友だちがいて、いつでも自由に会ったり気軽に話をすることです」と答えた。

 地村さん夫妻からは「もし、私たち夫婦に同級生、友人の身近での励ましと支援がなかったら自分たちの心理的、精神的状況は別のものになっていたと思います」と回答があったほか、「皆さんも今の友達、特に親友と呼べる人との関係を大切にしてください」とのメッセージが添えられていた。

 後日、蓮池さん夫妻からも「皆さんが私たちの子どもたちのことを心配してくださっていることに心から『ありがとう』といいたいです」などとと記した直筆のはがきも届いたという。 「返事を読んで大変だったことを実感した」と話す4人。拉致被害者が北朝鮮で過ごした時間の重みをかみしめながら「残された拉致被害者の子供たちの帰国問題の交渉が少しずつ前に進んでいるようなので、今後も頑張ってほしい」と、家族の帰国を待つ5人にエールを送る。後日、課題研究をまとめた冊子を両夫妻に届ける予定だ。

 同日は他の4グループも、少年犯罪、盲導犬など「使役犬」をめぐる現状、人工妊娠中絶、進学や就職を前に、独り暮らしに必要なアパートやマンション契約の知識について発表を行った。

提供 - 函館新聞社



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