88歳、倉部さんが自分史本を出版

update 2004/2/1 10:13

 函館市美原3の倉部光雄さん(88)がこのほど、死別したたかの夫人が残した俳句や手記を軸に、夫人との思い出をつづった自分史本「一会の流れに」を自費出版した。31日には通っている同市内のデイサービスセンターで記念祝賀会が開かれ、出席した友人らに真新しい本が配られた。

 同市赤川町のデイサービスセンター「ももハウス」に通う倉部さんは、たかのさんが自宅で倒れ、7年前に他界したときに、思い出を本にしようと決意し、2年前から本格的に執筆を始めた。「書道7段だった妻の達筆と格闘しながら」の日々を過ごし、ようやく念願をかなえた。

 若いころは文学青年を目指していたというだけあって情景描写が美しく、読んだ人の反応も上々。たかのさんの情緒豊かな俳句や手記に、どこか切なさを感じさせる倉部さんの回想が見事にマッチし、「感動した」といった手紙が届くなどの反響を呼んでいる。

 A5判で150ページ。100部余りを出版し、知人などに無償で譲っている。この日の祝賀会では、出席者と記念撮影が行われたほか、同施設から高級万年筆がプレゼントされ、倉部さんもにっこり。「苦労して書いた甲斐があった」と喜びの表情を見せていた。

提供 - 函館新聞社



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