北の縄文文化フォーラム 梅原氏「アイヌ文化研究所を」
update 2004/2/1 10:12
「北の縄文文化フォーラム『北海道の未来と縄文文化』」(道、渡島支庁主催)が31日、函館国際ホテル(函館市大手町)で開かれた。道が進める「北の縄文文化推進事業」で、日本文化研究の第一人者で国際日本文化研究センター顧問の梅原猛氏が講演し、「日本の基層文化である縄文文化を守ってきたのはアイヌ文化。北海道にぜひアイヌ文化研究所をつくってほしい」と提唱した。
約800人が来場。基調講演で梅原氏は「日本の基層文化 縄文から現代」と題して、アイヌ民族を縄文人の子孫とする持論を展開した。
縄文人とアイヌ民族の精神文化の共通性を挙げながら、梅原説を否定する学界に対し「アイヌ文化を研究しなければ、日本文化の本質が分からない」と批判。「近代文明は人間の自然支配を無限にしてしまう。循環の哲学を教えてくれるのは縄文文化であり、アイヌ文化」と説いた。
続く鼎談(ていだん)では国立民族学博物館名誉教授の佐々木高明氏が加わり、「柳田国男(民俗学者)がアイヌ文化を切り落とし、稲作以降(弥生時代)を日本文化のベースにしてしまった」と主張。「13世紀当時のアイヌ民族は、北アジアの交易民族で国際性があった。新しい北の文化を考えるのに、もう一度再評価すべきだ」と力説した。
梅原氏は、出席した山本邦彦副知事に対しアイヌ文化研究所の設立を提案し、「アイヌ文化は(道開拓記念館の)近代を越えている。わたしが生きているうちにつくってほしい」と投げ掛けた。
提供 - 函館新聞社
ご注意:
●掲載している各種情報は、著作権者の権利を侵さないよう配慮の上掲載されるか、又は、各情報提供元の承諾の元に掲載されています。情報の閲覧及び利用については「免責事項」をよくお読み頂いた上で、承諾の上行って下さい。
●掲載中の情報の中には現在有効ではない情報が含まれる場合があります。内容についてはよくご確認下さい。