高校倍率、職業学科人気のわけ

update 2004/1/30 11:38

 28日に発表された公立高校入試出願者倍率で、ひときわ目を引いたのが函館市内と近郊の職業高校の倍率の高さ。道内最高倍率となった函館水産高校水産食品科の2・5倍をはじめ、函館商業高校、函館工業高校など3校4学科で2倍を超え、軒並み高い倍率となっている。市内の進学校に人気が集中する一方で、いま、職業科も注目を集めている。

 函館水産高校の水産食品学科は、前年の1・1倍から2倍以上に急増。学科転換で、募集定員が80人から40人となった影響もあるが、その人気ぶりに学校側も驚きを隠せない。新設した品質管理流通科も1・4倍の高倍率だった。

 函館商業高校も、国際経済の2・4倍、流通ビジネス2・0倍と人気が集中。情報処理も1・2倍となった。函館工業高校も電子機械の2・1倍を最高に最も低い電気、情報技術科でも1・4倍の出願となっている。

 職業科の人気について、函館水産の河原武則校長は「公立志向の中で資格が取れるといったことが(高倍率に)つながっているのではないか」と話す。函館商業高校の檸田清治校長も「進学に対する価値観の変化があるのではないか。職業科だからといって就職だけではなく、進学にも対応できる教育をしている」と語る。

 一方で、中学校の進路指導担当者は「公立高校を目指す生徒たちが、比較的、入りやすい高校を選んで、結果、人気が集中したのでは」との見方を示した。

 29日からは出願変更が始まったが、職業科は全道一区となっていることから倍率が大きく変化する可能性は少ない。推薦入試で合格者が決まれば、一般入試での実質倍率は一層高くなることも予想される。

 函館中部や函館東など進学校への人気も相変わらずだが、専門知識を得ながら、生徒の頑張り次第で進学も十分可能な職業科もまた、狭き門となっている。

提供 - 函館新聞社



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