水文観測員制度廃止
update 2004/1/23 10:31
函館開発建設部は、河川の水位や雨量を住民が観測する「水文観測員制度」を昨年末で廃止した。観測業務の機械化に伴うもので、目視に変わってリアルタイムで観測できるテレメーターシステムに完全移行。22日には同開建で観測員の表彰式を行い、89年の歴史に幕を閉じた。
水文観測員は水位や雨量などの観測を住民に委託する制度。同開建管内では桧山管内の後志利別川水系が対象で、1915(大正4)年に観測を開始した。12カ所の観測所で1日2回の観測を毎日続け、データは治水・利水計画などの策定に利用されている。
75年から一部でテレメーターシステムを導入。当初は目視を補う役割にすぎなかったが、機械の精度が向上し、観測員がコンピューターを補う立場に逆転した。
さらに昨年、テレメーターシステムを利用し、データ収集、整理などができる「総合河川システム」が稼働。観測所7カ所で7人に業務を委嘱していたが、観測技術の高度化などを理由に、廃止に至った。
この日の表彰式では、最後の観測員7人のうち、瀬棚町の桜庭道三郎さん(78)、今金町の仁木恵美子さん(73)、同町の古山武雄さん(73)が北海道開発局長表彰を受賞。同開建の福田幸司部長が一人ひとりに表彰状を伝達し、長年の労をねぎらった。
勤続36年9カ月の古山さんは「寂しいね」とポツリ。桜庭さんは「雨風がゆるくなかった。いろんな思いがよぎる」と惜しんだ。残る4人にも今金河川事業所で局長表彰が贈られる。
提供 - 函館新聞社
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