町並み基金運用益大幅減

update 2004/1/22 11:17

 本年度で廃止される函館市の特別会計「西部地区歴史的町並み基金」の運用益が大幅に減少している。このため新年度以降、西部地区の都市景観形成地域内にある指定建造物等を保全・保存する事業に対し、一般会計から毎年度約800万円の予算が必要な見通しとなっている。市都市デザイン課は「当面、従来通りの事業費は確保できる見通し」としているが、財政難から将来、基金を取り崩すことになるのではという懸念の声も出始めている。

 同事業では、景観形成指定建築物や伝統的建造物の防寒改修や維持管理などを補助。これまで同基金の運用益などを充て、年間約800万円を支出してきた。

 同基金は1992年度に、市の積立金1億円と寄付14件、約1000万円の計1億1000万円で開設。市の積み立ては99年度からなくなり、98年度までの累計は約3億6000万円。民間からの寄付などの積立金は、03年度末で195件、約4800万円の見通し。合わせて約4億円で、目標とする7億円の約6割にとどまっている。

 金利の低下に伴い、同基金の運用益は、97年度の1280万円をピークに、次年度から958万円、673万円、359万円と急激に減少。さらに02年度は約40万円、本年度は約33万円で、事業費の約3%に落ち込んでいる。運用益の減少分を補うため、一般会計からの繰り入れは02年度(30万円)から始まり、本年度は864万円に跳ね上がる見通し。

 同基金の運用益で事業を行う「西部地区歴史的町並み資金特別会計」は本年度で廃止され、来年度から一般会計に編入される。市は「基金は趣旨に沿った形で活用していく」として手を着けない方針だが、将来的に財源確保ができなくなれば、事業の縮小や基金の取り崩しなどへ発展する恐れもある。

提供 - 函館新聞社



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