相乗りで新事業データ

update 2004/1/21 11:09

 雇用創出を目的に、道が昨年11月25日から函館で実施したタクシーの相乗りサービス「函館ライフケア・モビリティサービス実証実験」が、16日で終了した。実験開始当初は知名度の低さから利用者低迷に悩んでいたが、最終的なモニター登録者数は77人(うち利用者は35人)に達した。実験を進めたNTTデータは「事業成立の検証のためのデータは十分」としており、関係者はモデル事業から新規事業への展開を期待している。

 実験は、昨年11月25日から今年1月16日までの間、函館タクシー(函館市日乃出町)の協力で、片道500円の相乗りタクシー「はこだて愛のり号」を市内特定地域の住民宅と五稜郭病院間で運行した。

 今後、利用状況や要望などをデータ化し、民間企業に事業モデルを提示し、サービスの実行による雇用創出につなげる。

 モニター申し込みは昨年11月4日に開始したが、締め切りの同22日で約20人と低調だった。原因は知名度不足に加え、モニター登録者の居住地域と利用目的の限定だった。その後も受け付け、病院での周知や口コミでの広がりが功を奏し、1月5日には約60人、最終的には77人にまで増加した。

 モニターのうち、実際の利用者は35人、最終的な延べ利用者数は214件で、1人当たりの平均利用回数は約6件。うち、利用者全体の約4割が2回以上の利用。最も多く利用したモニターは、週3回の人工透析のための通院で、40回になった。

 実験結果は、アンケートやヒアリングからの反応と合わせ、23日までに道に報告。2月13日に札幌で開かれるシンポジウムで、同時に登別で行った実験結果と合わせて報告する予定。NTTデータは「十分なデータを取ることができたと感じている。ただ、期間が短かったことも事実」と話している。

提供 - 函館新聞社



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