函館空港の03年利用客数、3年ぶりに前年下回る、チャーター便は好調維持

update 2004/1/20 10:13

 函館市は昨年1年間の函館空港利用状況をまとめた。総利用者数は、前年比2・4%減の237万5184人(搭乗率61・8%)で、3年ぶりに前年を下回った。東アジアからのチャーター便が過去最高を更新、唯一の国際定期便・ユジノサハリンスク線も前年実績を上回ったものの、最も利用者の多い東京線が横ばいにとどまり、大阪、仙台線の伸び悩みなどが響いた。ただ、昨年は東京線が一時、1日10往復体制となるなど、航空各社の主力路線に定着。関係者は今月末に予定されている、航空各社の国土交通省へのダイヤ申請の動向を注視している。

 路線別では、東アジアからのチャーター便が前年比18・3%増の5万6192人。4―6月に新型肺炎の影響で利用者、便数とも大きく減らしたが、7月からは折からの北海道ブームも手伝って勢いを取り戻し、過去最高を更新した。ユジノ線も昨年は新千歳線の就航で落ち込んだが、サハリン石油・天然ガスプロジェクトのビジネス関連で利用客が増加したとみられ、同18・7%増の4424人となった。

 国内線に目を移すと、東京線は159万1943人と、前年比0・3%増のほぼ横ばい。繁雑期に航空2社が増便して最大1日10往復体制となったが顕著な利用者増には至らなかった。市や航空各社は「東京周辺の利用客が気候の温暖な九州・沖縄方面に目を向ける傾向がある」と分析、10―12月の機材小型化なども影響したとみている。

 大阪線は日本航空グループが「経営効率化の一環」(函館支店)として11月から関西空港線を休止した点や機材の小型化が影響し、同11・7%減の29万550人。名古屋線は同3・0%減の14万7005人と横ばい。

 仙台線は同21・8%減の2万7502人で、02年12月の東北新幹線八戸延伸が響いた結果となった。このほか、広島線の完全運休なども、利用者減に影響している。

 同空港の利用者は東京便が最も多く、全体の67%を占める。このため関係者は「東京線が増えれば全体が底上げされる」(市空港課)とみており、今後各航空会社が行う国交省へのダイヤ申請に注目。加えて、「北と南は1年おきに人気が行き来する傾向がある」(全日空函館支店)といい、各旅行会社のパックツアー増加などに期待を寄せている。

提供 - 函館新聞社



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